街中が中世にタイムスリップ!!ローテンブルクのマイスタートゥルンク祭り
少し日が経ってしまいましたが、5月22日~5月25日までローテンブルクで行われていたマイスタートゥルンク祭りに行ってきたので、このお祭りについて書きたいと思います。
ちなみに、日本ではローテンブルクと呼んでいますが正式名称は“Rothenburg ob der Tauber”(タウバー川の上のローテンブルク)です。
以前、NHKの『世界で一番美しい瞬間』でこのお祭りが取り上げられているのを見て、ドイツに来たら絶対に行きたいイベントの一つでした。
マイスタートゥルンク祭り概要
お祭りの舞台は、中世1618年から1648年に神聖ローマ帝国で起こったカトリックvsプロテスタントの宗教戦争、『三十年戦争』。
1631年三十年戦争、プロテスタント側についたローテンブルクは、ティリー将軍率いるカトリック軍に包囲され町は陥落、焼き払らわれる運命になり、市参事達の斬首刑が決定した。翌日宴の席で、ワイン庫管理人の娘が地元の特上ワインを3.25リットルも入る大杯になみなみと注いで差し出すと、ティリー将軍が「もしこの中でこの大杯いっぱいのワインを一気飲みできるやつがいたら、おまえ達の罪をすべて忘れてやろう」と言い出した。そこで市長のヌッシュが決死の覚悟で名乗り出て「カトリックもプロテスタントも神の前では皆兄弟。皆愛すべき神の心を持っている」と言い、見事に3.25リットルのワインを一気に飲み干し、ローテンブルクは救われた、というお話がマイスタートゥルンク(Meistertrunk)です。
引用元:AB ROAD http://www.ab-road.net/europe/germany/rothenburg/guide/01184.html
この出来事にちなんで、お祭りの4日間、街の人々が中世の衣装を着て街を練り歩きます。
私の見たマイスタートゥルンク祭り
入場は有料
5月23日(土)お祭りの2日目にローテンブルクに到着。
駅から街まで歩いて向かっていると、向かいから歩いてきた韓国人(?)夫婦に声をかけられ、「これからお祭りに行くならこのバンドあげる。入場料に5ユーロもかかって高いから!これを見せればそのまま入場できるよ」と、思いがけず入場許可のバンドをゲット!ラッキー!!
お祭りに入場料が必要だとは知りませんでした。
いくつか料金が分かれていて、開催期間中の4日間有効の一番高いのは14ユーロ。私がゆずり受けたのは5ユーロ分のもので、このバンドだと一部入れないイベントがあります。
いつになくたくさんの観光客が押し寄せるこの機会に入場料をとるなんて、貪欲ね・・・
街中がテーマパークの様!
ホテルのチェックインを済ませ街に繰り出した午後16:00。
Marktplatzマルクト広場に続くSchmiedgasseを歩いているとさっそく衣装を着た一団に遭遇。しかも馬に乗っている!!
うわぁーうわぁーうわぁぁぁーーーー!!!
さっそくテンションが上がります。
そうそう、道にちょこちょこお馬さんたちのう●ちが落ちてます。
マルクト広場に近づくにつれて音楽が聴こえてきます。
広場ではちょうど、合唱をしていました。お兄さん、とってもいい声!!
街のあちこちから太鼓の音や歌声が聞こえてきます。
仮装した街の人々はいくつかのグループに分かれていて、グループごとに街を練り歩いているみたいです。レストランやホテルを渡り歩いて、その前で歌をうたったり太鼓を演奏したり。
それが終わるとレストランから食べ物やビールを振る舞われています。
ただでさえ街並みがおとぎ話の中なのに、街の人たちが中世の仮装をしていると、テーマパークなんじゃないかと思ってしまうくらいの非現実感!!
街の人たちがみんな歌や音楽ができるってものすごく素敵!!
仮装行列
日曜日の15:00からは仮装行列がありました。
行列はそのまま城壁外の野営地へ向かいます。
街の人々との交流
お祭りの最終日、午前10時からBegrüßung der Landhege auf dem Marktplatzという催しものがあったので、市庁舎の階段に座って見学していました。
イベントが終わると参加していた街の人々は広場で軽食を食べたり、彼らも市庁舎の階段に座って休憩したり。
太鼓のお兄ちゃん
で、隣に太鼓隊のお兄ちゃんが座っていたので、思い切って話しかけてみました。
最初ドイツ語で話かけたのですが、私の語学力ではちっとも会話にならないので英語に切り替えて色々聞いてみました。
質問① このお祭りのためにどれくらいの期間練習しているの?
毎週一回、年間通して練習している!
質問② 自分が所属するグループはどうやって決まるの?
自分の好きなグループを選んでよいのだそうです。彼は、友達がこのグループにたくさんいるからここを選んだのだそう。違うグループに変えたければいつでも自由に変えられるそうです。
質問③ 明日はお仕事するの?
明日から1週間仕事はお休み!4日間のお祭りの後は多くの人が1週間のお休みをとるのだそう。
その他
ローテンブルクがあるバイエルン州のフランケン地方。バイエルンはドイツの中でも方言がきついので有名ですが、その中でもフランケン地方はまた違った方言があるようで、フランケン地方の人々は地元の言葉に誇りをもっているのだそうです。なので、この彼もフランケン方言をしゃべっているみたい。
彼が出陣する時間になったのでお別れしたのですが、この後たまたま街中で彼のグループの行進に出くわしました。その時の映像。右手前の太鼓のお兄ちゃん、私に気づいて通り過ぎざまにウィンクしてくれました!キャー!!
陽気なおじさんたち①
うわぁーすごいおっきなワイングラス!!
って眺めてたら、おじさんが寄ってきて私に衣装の帽子を被せてくれました。彼は、数年前に日本に旅行したことがあって、近い内にもう一度日本に行きたいと言ってくれました。
おしゃべりをしていると、別の酔っぱらったおじちゃんが寄ってきて、ビールジョッキを手渡されました。「飲みなさい。写真とってあげるからカメラかして」と大サービス。
1リットルジョッキかな?
お祭り中は、毎日みなさんこんな風に大量のビールを飲んでいるのです!
さらに、さっきの大きなワイングラスを持ってきて、「これも飲みなさい」と!
並々と入っていた白ワインもいつの間にかこんなに少量に。
「君はマイスタートゥルンクだよ!」って!そっか、この大きなグラスはマイスタートゥルンクのグラスなのね!
グラスが大きいからついついたくさん飲んじゃうけど、ビールにワイン・・・酔っぱらっちゃう。
陽気なおじさんたち②
その後もぶらぶらしていると、別のグループがレストランの前で歌っているところに遭遇。これまた眺めていたら、写真の左の陽気なおじちゃんに手招きされ、肩を組んで歌の輪に混ぜてくれました!一緒に歌えたらどんなに楽しいことか!歌えないのが残念でならない。
歌い終わると、右のおじちゃんがこの大ジョッキをくれて「飲んで飲んで!」とこれまたビールのおすそ分け!おぉ、なんだかさっきから大量のアルコールをいただいている。
このお祭りは観光客でも無料で大量のビールにあやかることがでる!という発見。
そこへ別のおじさんもやってきて、「これから僕たちはこのまま広場まで行くから一緒に行こう!」と。
こうして帽子と鍬を授けられ一緒に行進に混ぜてもらえました!!
衣装を着た街のひとたちしか入れない野営地の柵の中。ここまで入れてもらえちゃいました!
こんな風に野営地の中では焚火でソーセージを焼いていたり、樽のビールが用意されていたりします。ここでもまたビールをいただいてしまいました。
しばらくすると、運営者らしきおじさんがやってきて、「ここは衣装を着てないと入っちゃダメなんだよ」と退場宣告を受けました。そりゃそうよね。規則を破ってごめんなさい。でもこの運営者のおじさんも決して威圧的な感じはなく「ごめんね、でも規則だから・・・」的な雰囲気でした。
でも、思いがけずとっっっても素敵な体験をさせて感激です。
陽気で気さくなおじさんたち、バイエルン気質かしら?
ドイツ語で何言っているのか分からなくてもすごく楽しかったです。人との出会いが旅の醍醐味だなぁ、と改めて感じる旅行になりました。
お祭りとは関係ないけれど・・・
ローテンブルクで食べたプレッツェルがとってもおいしかったです!ふかふか!
ドレスデンはパン屋さんで買ってもなんだか痩せ細って貧相でいまいちなプレッツェルしかたべたことなかったのですがここで食べたのはおいしくて二日連続で買ってしまいました。
プレッツェルにも東西格差があるのか!?なんて思ったり笑
マルクト広場から続くHafengasseにあるBrot&Zeitというパン屋さん兼カフェです。
Brot & Zeit
Hafengasse 24
Schneeball【シュネーバル】
ローテンブルクで有名なお菓子、ドイツ語で“雪のボール”という意味シュネーバル。
短冊状にカットしたパイ生地を丸めて揚げて、粉糖をまぶしたりチョコレートでコーティングしたりしたお菓子です。
名物とあってSchmiedgasseにはシュネーバルを売っているパン屋さんが何件もあります。
私も買ってみました。お味は・・・こう言っちゃなんですが、とりたてておいしいというわけでもない。かな。いってみれば揚げたパイ生地に砂糖がふってあるだけなので。単純な味です。しかも食べ始めると丸めてあるパイ生地がボロボロと分裂して食べづらい。
Untere Schmiedgasseにある緑色の建物のパン屋さん、Fritz Striffler。
お店の前を通りかかったときにたまたま気づいたのですが、このパン屋さん、NHKの『世界で一番美しい瞬間』でとりあげられていたんです。大学進学で一旦ローテンブルクを離れたこのパン屋の息子さんがお店を継ぐために街に戻ってきて、初めてお祭りに参加する、という内容でした。
このお母さんの金髪が印象的で覚えていました。
このお店も中で食事ができるようになっていておお客さんで賑わっていました。
マイスタートゥルンク祭り、見ているだけでも十分に楽しめるお祭りですが、最終日の街の人々との交流が何よりも楽しかったです。お祭りとビールでみんな陽気になっているし、街のひと達と気軽に交流できるのがすごくいいなぁと思います。