凧の山と悪魔の山、秋のハイキング
秋も深まる今日この頃。
よく晴れた日、ちょっとしたハイキングに。
ベルリン西部にベルリンで2番目に高い山があるというので行ってみました。
西にある山って東京でいう高尾山みたいなかんじかしら?と思いきや、高さはたったの120メートル。
山じゃなくて丘じゃん!!
Drachenberg
ベルリンの西側、Heerstrasseの駅から歩いて10分ほど。
第二次世界大戦で破壊されたベルリンの瓦礫たちを積み上げできた人工的な山、Drachenberg。
緩やかな山肌を登っていきます。
地面にはところどころ顔を出す瓦礫たち。
木々に囲まれた斜面を登りきると・・・
だだーーーーーっ
山頂は開けた空間が広がっています!!
空が青い!
太陽がまぶしい!!
そして空高く舞う子供たちの声とたくさんの凧!!
そう、この山Drachenbergの名、Drachenはドイツ語で凧。
凧山なのです。
頂上に木々がなくて凧上げに適しているから?
日本では凧上げといえばお正月だけれど、ドイツでは秋にするものみたいです。風が強いから。
こんなにたくさんの凧って初めて見た。
山頂は風があってぴゅんぴゅんと凧たちがよく舞っていました。
視界を遮るもののない山頂からの眺めも気持ちいい!
Teufelberg
Drachenbergを下ってお次はTeufelbergへ。
悪魔山と名のつく、標高120.1mでベルリンで2番目に高い山。
こちらも2500万平方メートルの瓦礫でできた山です。
となりの山と合わせて、こんな山が2つできてしまうくらいの大量の瓦礫。
自分の足元に、昔の人々の生活が埋まっているって、ちょっと複雑な気持ち。
と同時に、それを知らなければ人口の山だって思わないくらい、たくさんの植物が生息していて”自然”にあふれていることにも驚く。
山頂にあるサッカーボールの様な建物は、冷戦時代の米軍のスパイ(東側の情報収集)基地。
敷地内の周りはフェンスで囲まれていて、入口には、「ガイドつきでのみ見学可能7ユーロ」という看板が出ていました。オフィシャルなガイドではなさそうだけど・・・。
中には入らず山を下りることに。
奥山に もみじ踏み分け 鳴く鹿の
声聞くときぞ 秋は悲しき
さくさくと落ち葉の上を歩く人々の足音を聞きながら
百人一首の句がふと頭に浮かんだ。
百人一首なんて存在自体ここ数年忘れていたのに、ここドイツで、山奥でもないのにふと思い出すなんて、記憶っておもしろい。
視線を上げても落としても、耳にも楽しい秋のハイキング。
間もなく、色のない世界がやってくる。