1年あれば色々変わる。
帰国前にもう一度帰りたかったドレスデン。
この一年で出会った中で一番の友人、チェコ人夫婦に会いに日帰りでドレスデンへ。
わたしがドレスデンに愛着を感じるのはこの友人の存在も大きい。
ハウプト通りにの花壇に植えられたクロッカスの花。
覚えてる。
ドレスデンに到着して初めての週末ここを散歩したときに咲いていたのを。
同じ花が、季節が巡ったことを教えてる。
(今はまだつぼみだったけれど、これは一年前に撮ったもの)
同じ景色の中に戻ってきたんだ。
同じ街の同じ季節。
だけど、ここですら1年で変わった。
友人が連れていってくれようとした、アルトシュタットにあるカフェがなくなっていて他のお店に変わってしまっていた。
わたしがいた時には始まったばかりだった工事現場に大きな建物ができあがりつつある。
若者が多い新市街ノイシュタットはもっと変化が早い。
前回12月に来た時、これまたわたしがいた時には何の工事なのかもわからないような状態だった所に、新しい商業施設がオープンしていて驚いた。
ドラッグストアだった場所がbioスーパーに変わっていた。
この街は、破壊されてしまった戦後ですら戦前と同じ姿を取り戻した、何百年前と変わらぬ風景を留めた街だけれど、それでも人々の生活するエリアは変化していく。
前とは景色がちょっとずつ違っている。
なんだかちょっと置いてけぼりをくらった気分。
友人夫妻、知り合ったころは新婚1年目の夫婦だったのに、今奥さんは3週間後に出産を控えた臨月の妊婦さん。
この短期間、わたしには短期間に思えてしまう時間の中でこんなにも色々変われるのか。
目に見えるものの変化に、時の与える影響力の大きさを感じる。
そして自分がなにげなく過ごしてきた時間の長さを実感する。
ぼーっとしている間にも変わる意志のあるもの、変わる運命にあるものは変わっていく。
私は変われただろうか、この一年。
毎日必死に駆け抜けました、っていえるような過ごし方ではなかった。
きっと日本で1年生活するよりも、のんびりと暮らした1年だった。
それでも、たくさんの景色を見たしたくさんの人に出会ったし、日本にいたらできないような経験、いい事もちょっと大変なこともあった。
のんびりしてたけど、きっと私も日々の蓄積の中で変化できてきたと思いたい。
「もう1年かぁ」と口では言ってみるけど、1年て結構な期間だ。
それを感じさせてくれるドレスデンの街角の変化。
きっと大きくはない街だから余計にそれを感じる。
1年前にこの街に初めて降り立った日のことをはるか遠い日のようにも感じる。
そう感じるのは、12か月という月日の中にものすごくたくさんの出来事があったからなんだろう。
空気の匂い、陽の趣きが、ここに来たばかりの頃を思い起こさせ、少しセンチメンタル。
日が延びた。
再び春が来る。
変わらぬ街並みに思いを馳せたこともありました。