その八重歯本物ですか?ドイツ人も知っている日本のつけ八重歯
私には立派(すぎる)な2本の八重歯がある。
笑ったときだけでなく、口を閉じているときですらちょっと出ちゃう出っ歯八重歯。
つけ八重歯が流行っているらしい
先日、初対面のドイツ人に突然「質問があるんだけど。その八重歯本物?日本では人工の八重歯をつける人がいるって聞いたけど」と聞かれ、笑ってしまった。
えっ?そうなの?人工の八重歯なんてあるの??
彼に言われるまでつけ八重歯なんてものが存在することを知らなかった。
ので全く予想外の質問に「どんな質問よ」と思わず笑ってしまうくらい衝撃だった。
外国人の方が、日本の変なことについてよく知っていたりする。
「いや、これは本物の歯だよ」と言ったら
「そっか、お金かけてつけたものじゃなくてよかったよ!」と。
いやいや、お金かけてわざわざこんなものつけるほどばかじゃないわ!!
でもそうよね、偽物かと思われちゃうくらいわたしの八重歯は大きいのよね・・・
お見苦しいですが、こんなです↓
で、帰ってきてネットで調べたら、つけ八重歯流行ってるんですね・・・。
どうなの?つけ八重歯
ドイツ人(にかぎらず欧米人)は歯への美意識が高い。
小さい頃に歯列矯正してしまう人が多く、みんな白くてまっすぐな綺麗な歯並びをしている。
そんなんだから、日本でのように「八重歯かわいいね」なんて言われることはめったにない。かわいいねどころか言及すらされないのがほとんど。
1年ドイツで過ごして八重歯に言及されたのは数えるほど。
「その歯本物?」って驚かれるのと「素敵な歯ね!」って褒めてくれるのが半々くらい。
むしろ歯並び悪いのを放置していて育ちの悪い子とか思われてたら嫌だなぁと思う・・・。
だから今回も含め、ドイツ人に八重歯について言われるときはちょっと恥ずかしい気持ちを抱く。
なのに!日本ではわざわざつけ八重歯をつける人たちがいるの!??
なんて愚かな!と思ってしまった。
さすがにつけ八重歯なんてものを商売にする人たちがいるのはどうなのよ、と思う。
だって、これってたまたまなってしまうもので、もともと美しさを意図したものじゃないじゃない。
需要があるから商売として成り立つんだろうけど、これは仕掛けた側が煽って需要ができちゃってるでしょ。
需要を見つけ出す、マーケティング的には成功だと思うけど、これを商売にしていいかは道徳観の問題じゃないかしら。
女性の美しくなりたい願望は無限だから、美容業界って煽ればいくらでもお金になる。なんでも金儲けにしてしまう。これってどうなんだろう。
実際、ほとんどの歯科医たちはつけ八重歯に反対みたいです。
日本人は歯ならびに対する意識が低く、かわいい人なのに八重歯のままという、とても残念な人がいます。決して八重歯だからかわいいのではなく、八重歯を治せばもっと美しくなれるのです。まして、八重歯にしたらかわいくなれるなどというのは勘違いも甚だしい。国際的には、どうしてなおさないの?と不思議がられるようなものなのです。そして八重歯は将来の歯周病や咬合不全のリスクファクターであり、ヘアカラーとかネイルなどとは違って健康に悪い状態を作り出してしまいます。付け八重歯が日本ではやるとすれば、日本社会の未成熟と国民の無知と歯医者の怠慢を示す以外の何ものでもありません。
多くの歯科医師は、八重歯の人の口元を「残念」と思っている。海外先進国の人から見ても、悪い歯並びは、子供の時にまともな治療を受けることができなかった境遇の人と見られている可能性が高いということ。K-popアイドルになるには歯並びが良いことが目がきれいなことと同じくらい重要。韓国では歯並びが悪いと就職にも不利と聞きました。歯科医師の立場は、良い歯並びが良いと言うところだと思います。儲かるから付け八重歯を流行らせるというのは、同業者としては残念です。
そりゃそうだ。歯って美以前に健康の対象ですから。
歯科医さんたちも一部の同業者の行為を残念に思っている模様。
日本人独特の美意識
一方、つけ八重歯をしたいほど八重歯を魅力ととらえる日本人のこの感覚はおもしろいなぁと思う。
欧米では全くもって魅力の対象にはならにわけですから、これは日本人独特の美意識です。さっきも書いたように、日本人と欧米人の八重歯に対する反応の差はとても大きい。身を持って感じる。
「八重歯=かわいい」この感覚はいつからなんだろう。なんでなんだろう。
ちょっと前の板野友美の八重歯人気が思いつくように芸能人の影響なんだろうな。元祖は石野真子らしい。
あひる口とか八重歯とか、日本人のかわいい感覚は独特。
『八重歯ガール』なんて本まで出ているらしい!!
茶髪やカラコン、二重整形にいたるまで、美の対象が欧米に影響を受けている。
欧米人みたいな外見になろうとする女の子たち。
アジア人にはアジア人の美しさがあるのに。この風潮を残念だと思う。
だからね、海外からなんと言われようと、日本人がオリジナルな美意識を持っていることはいいことでもあると思うのね。
かくいうわたしも、矯正を考えたこともあるもののこの年まで八重歯できたのは、かわいいと見なされる日本の風潮に甘んじてきたのは否定できない。
とはいえ以前から「何歳まで八重歯はありだろう。さすがに30歳で八重歯はないよな~」なんて思っていたのだけれど気づけばもうすぐ30歳・・・。
電車の中の子供にも
この記事を書こうと考えていたら、今朝の電車の中で。
課外授業に向かう子供たち(小学校1年生くらい?)が地下鉄に乗ってきて(ベルリンではよく見かける光景)ボックス席の私の向かいと隣に男の子が座った。
二人は目くばせしてくすくす笑っていて、向かいの男の子と目があったら彼はニコっと笑ってくれた。で、隣からも視線を感じたので振り向くと、隣の男の子はぷいっと反対側を向いてクスクスって笑っている。こんな、いないないばぁみたいなことを数回繰り返し。
子供たちかわいいなぁ~ってきゅんきゅんしていたのだけれど、だんだん「いや、アジア人だからって好奇の目にさらされているのだけでは!?」なんてことも考えはじめた矢先。
目の前の男の子が「何語話すの?」って話しかけてきた。
「何語だと思う?」って聞いたら「ん~・・・中国語?」残念、日本語だよ~。
その次には「なんで君の歯はそんななの?」と!
ん~・・・なんでと聞かれると困っちゃうなぁ。だから「ヴァンパイアなの!」と答えてみた(笑)「えぇ!ヴァンパイア!!」二人はまた顔を見合わせ笑っていた。
幼いドイツ人とってわたしは、アジア人なうえに変な歯をしていて珍しかったのでしょう。そんなわたしに話しかけてきた彼はとっても勇敢ね!
最後は余談ですが、歯科業界のモラル、日本人独特のかわいい文化と色々と考えるきっかけをくれたドイツ人からの一言、つけ八重歯についてでした。